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我々を取り巻く環境の変化は目まぐるしく、今後、法律事務所の役割はますます増大し、私達に対する皆様のご期待も大きくなっていると認識しております。
私達は、こうした現状を踏まえ、より質の高いリーガルサービスを提供ができる法律事務所を目指し全力で取り組んでまいります。

お知らせ

石坂大輔弁護士入所!
平成24年4月2日より新たに石坂大輔弁護士が入所致しました。
石坂弁護士を迎え、さらなるリーガルサービスをご提供出来るよう一同改めて気持ちを引き締めて取り組んでまいりたいと思いますので、何卒よろしくお願い申し上げます。
簡単ではございますが、ご挨拶文を掲載させていただきます。経歴等詳細につきましてはこちらをご覧下さい。

<入所のご挨拶>
平成24年4月より、当事務所に所属することになりました石坂大輔と申します。
これまでは、卓照綜合法律事務所で5年半にわたり勤務して参りましたが、この度、当事務所に参加させて頂くこととなりました。
不動産賃貸に関する案件はもちろんのこと、その他の案件につきましても、お気軽にご相談頂きたいと思っております。
まだ31歳と若輩者ではございますが、迅速かつ丁寧な対応を心掛け、皆様のお力になれるよう精進致します。
末永く、よろしくお願い致します。

冊子・書籍プレゼント
当事務所の弁護士が執筆しました冊子・書籍をそれぞれ先着でプレゼント致します。
「労働災害と事業者の責任」
「毎日使える!コンプライアンス・ブック」
「被災時のためのQ&A総集編」
詳しくはこちらをご覧下さい。

亀井英樹弁護士執筆雑誌記事掲載
亀井英樹弁護士が執筆しました雑誌掲載記事(PDFファイル)を是非ご覧下さい。

尋木浩司弁護士執筆雑誌記事掲載
尋木浩司弁護士が執筆しました雑誌掲載記事(PDFファイル)を是非ご覧下さい。

2011ことぶきオープンゴルフのアルバムを掲載しました。アルバムからご覧ください。

2011ことぶきオープンゴルフ結果表掲載

VOL.53 2012 新年号
ことぶき法律事務所報「コンテント」の最新号を掲載しました。PDFをダウンロードできます。

コンテントバックナンバー 全公開
ことぶき法律事務所の歴史がすべてわかる「コンテント」の全バックナンバーを公開しています。

最高裁平成23年7月15日判決について

第1 平成21年(受)2078号について
 1 事案の概要
 (1) 賃貸借契約の内容
    契 約 日  平成12年8月11日
    契約期間  平成12年8月15日から平成13年8月30日
    賃  料  月額4万5000円(共益費含む)
    敷  金  10万円
    更 新 料  10万円
 (2) 居住用建物を上告人から賃借した被上告人が更新料の支払を約する条項(以下「更新料条項」という)は消費者契約法10条又は民法90条による無効であるとして、支払済みの更新料50万円の支払及び未払賃料を控除した敷金残金5万5000円の返還を求めたもの。
 (3) 控訴審判決
    平成21年8月27日大阪高裁判決
    更新料条項は、民法90条により無効と言うことはできないが、消費者契約法10条により無効であり、平成14年から平成17年まで、4回にわたり支払われた更新料は不当利得となる。

 2 判決要旨
 (1) 更新料条項の性質、消費者契約への該当性
    更新料の性質は、賃料の補充ないし前払、賃貸借契約を継続するための対価等の趣旨を含む複合的な性質を有するものと解するのが相当である。
 (2) 更新料条項が消費者契約法第10条の適用により無効となるか。
   ① 更新料条項は、一般的には、任意規定の適用の場合に比し、消費者である賃借人の義務を加重するものに当たるから消費者契約法10条の適用がある。
   ② 当該条項が信義則に反して消費者の利益を一方的に害するものであるか否かは、消費者契約法の趣旨、目的に照らし、当該条項の性質、契約が成立するに至った経緯、消費者と事業者との間に存する情報の質及び量並びに交渉力の格差その他諸般の事情を総合考量して判断されるべきである。
   ③ 更新料が(1)の性質を有していることに鑑みると、更新料支払におよそ経済的合理性がないということはできない。
   ④ 一定の地域において更新料の支払をする例が少なからず存すること公知の事実である。
   ⑤ 従前の裁判上の和解手続等において、更新料条項を公序良俗無効とした取り扱いがなされていないことは裁判所に顕著な事実である。
   ⑥ 更新料条項が賃貸借契約書に一義かつ具体的に記載され、賃貸借当事者間に更新料支払いの明確な合意が成立している場合には、賃借人と賃貸人間との間で、更新料条項に関する情報の質及び量並びに交渉力について、看過しがたいほどの格差が存するとみることもできない。
   ⑦ よって、賃貸借契約書に一義かつ具体的に記載された更新料条項は、更新料の額が賃料の額、賃貸借契約が更新される期間等に照らし高額に過ぎるなどの特段の事情が無い限り、消費者契約法10条にいう「民法第1条第2項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するもの」には当たらない。
 (3) 本件への適用
    本件では、更新料は、賃料の2か月分余り、更新期間1年間とするもので、「特段の事情」が存するとは言えず、消費者契約法10条により無効とすることはできない。

第2 平成22年(受)第243号について
 1 事案の概要
 (1) 賃貸借契約の内容
    契 約 日  平成12年11月26日
    契約期間  平成12年12月1日から平成14年11月30日
    賃  料  月額5万2000円
    共 益 費  月額  2000円
    更 新 料  契約の更新に際して、旧賃料の2か月分を乙は甲に支払う。契約期間満了の1か月前までに、甲、乙の何れからも書面による異議申し出のない場合は更に2年間更新されるものとし、以後も同様とする。その場合、乙は甲に対して契約更新料として表記のとおり支払うとともに、更新に必要な書類を甲に提出するものとする。(甲は被上告人、乙は上告人をさす)(以下「本件条項」という)
 (2) 居住用建物を上告人から賃借した被上告人が更新料の支払を約する条項(以下「更新料条項」という)は消費者契約法10条又は民法90条による無効であるとして、支払済みの更新料26万円の返還を求めたもの。
 (3) 控訴審判決
    平成21年10月29日大阪高裁判決
    本件条項は、消費者契約法10条により無効とすることはできず、また、暴利行為ともいえないことから有効である。

 2 判決要旨
 (1) 更新料条項の性質、消費者契約への該当性
    更新料の性質は、賃料の補充ないし前払、賃貸借契約を継続するための対価等の趣旨を含む複合的な性質を有するものと解するのが相当である。
 (2) 更新料条項が消費者契約法第10条の適用により無効となるか。
   ① 更新料条項は、一般的には、任意規定の適用の場合に比し、消費者である賃借人の義務を加重するものに当たるから消費者契約法10条の適用がある。
   ② 当該条項が信義則に反して消費者の利益を一方的に害するものであるか否かは、消費者契約法の趣旨、目的に照らし、当該条項の性質、契約が成立するに至った経緯、消費者と事業者との間に存する情報の質及び量並びに交渉力の格差その他諸般の事情を総合考量して判断されるべきである。
   ③ 更新料が(1)の性質を有していることに鑑みると、更新料支払におよそ経済的合理性がないということはできない。
   ④ 一定の地域において更新料の支払をする例が少なからず存すること公知の事実である。
   ⑤ 従前の裁判上の和解手続等において、更新料条項を公序良俗無効とした取り扱いがなされていないことは裁判所に顕著な事実である。
   ⑥ 更新料条項が賃貸借契約書に一義かつ具体的に記載され、賃貸借当事者間に更新料支払いの明確な合意が成立している場合には、賃借人と賃貸人間との間で、更新料条項に関する情報の質及び量並びに交渉力について、看過しがたいほどの格差が存するとみることもできない。
   ⑦ よって、賃貸借契約書に一義かつ具体的に記載された更新料条項は、更新料の額が賃料の額、賃貸借契約が更新される期間等に照らし高額に過ぎるなどの特段の事情が無い限り、消費者契約法10条にいう「民法第1条第2項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するもの」には当たらない。
 (3) 本件への適用
    本件では、本件条項は本件契約書に一義的且つ明確に記載されており、更新料は、賃料の2か月分とし、更新期間を2年間とするもので、平成18年11月頃の更新における合意の内容は更新料の額を賃料の1か月分に減額するもので、「特段の事情」が存するとは言えず、消費者契約法10条により無効とすることはできず、また、著しく合理性を欠くものとして公序良俗に反するものということもできない。

第3 平成22年(受)第1066号について
 1 事案の概要
 (1) 賃貸借契約の内容
    契 約 日  平成15年4月1日
    契約期間  平成15年4月1日から平成16年3月31日
    賃  料  月額3万8000円
    更 新 料  ①被上告人は,期間満了の60日前までに申し出ることにより、本件賃貸借契約の更新をすることできる。
          ②被上告人は、本件賃貸借契約を更新するときはこれが法定更新であるか、合意更新であるかにかかわりなく、1年経過するごとに、上告人に対し、更新料として賃料の2か月分を支払わなければならない。
          ③上告人は被上告人の入居期間に関わりなく、更新料の返還、精算等には応じられない(以下「本件条項」という)。
    定額補修分担金 12万円
 (2) 居住用建物を上告人から賃借した被上告人が更新料の支払を約する条項(以下「更新料条項」という)は消費者契約法10条又は民法90条による無効であるとして、支払済みの更新料22万8000円及び定額補修分担金12万円の返還を求めたもの。
 (3) 控訴審判決
    平成22年2月24日大阪高裁判決
    本件条項及び定額補修分担金に関する条項は、消費者契約法10条により無効である。

 2 判決要旨
 (1) 更新料条項の性質、消費者契約への該当性
    更新料の性質は、賃料の補充ないし前払、賃貸借契約を継続するための対価等の趣旨を含む複合的な性質を有するものと解するのが相当である。
 (2) 更新料条項が消費者契約法第10条の適用により無効となるか。
   ① 更新料条項は、一般的には、任意規定の適用の場合に比し、消費者である賃借人の義務を加重するものに当たるから消費者契約法10条の適用がある。
   ② 当該条項が信義則に反して消費者の利益を一方的に害するものであるか否かは、消費者契約法の趣旨、目的に照らし、当該条項の性質、契約が成立するに至った経緯、消費者と事業者との間に存する情報の質及び量並びに交渉力の格差その他諸般の事情を総合考量して判断されるべきである。
   ③ 更新料が(1)の性質を有していることに鑑みると、更新料支払におよそ経済的合理性がないということはできない。
   ④ 一定の地域において更新料の支払をする例が少なからず存すること公知の事実である。
   ⑤ 従前の裁判上の和解手続等において、更新料条項を公序良俗無効とした取り扱いがなされていないことは裁判所に顕著な事実である。
   ⑥ 更新料条項が賃貸借契約書に一義かつ具体的に記載され、賃貸借当事者間に更新料支払いの明確な合意が成立している場合には、賃借人と賃貸人間との間で、更新料条項に関する情報の質及び量並びに交渉力について、看過しがたいほどの格差が存するとみることもできない。
   ⑦ よって、賃貸借契約書に一義かつ具体的に記載された更新料条項は、更新料の額が賃料の額、賃貸借契約が更新される期間等に照らし高額に過ぎるなどの特段の事情が無い限り、消費者契約法10条にいう「民法第1条第2項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するもの」には当たらない。
 (3) 本件への適用
    本件では、本件条項は本件契約書に一義的且つ明確に記載されており、更新料は、賃料の2か月分とし、更新期間を1年間とするもので、「特段の事情」が存するとは言えず、消費者契約法10条により無効とすることはできず、また、借地借家法30条にいう同法第3章第1節の規定に反する特約で建物の賃借人に不利なものということもできない。
    なお、定額補修分担金の返還請求に関する部分については、上告受理の申立においてその理由を記載した書面を提出しないため上告は却下する。

第4 最高裁判決の評価
 1 更新料条項の消費者契約法10条の適用における有効性
   上記の最高裁判決は、更新料条項は原則として有効である旨の判断を示しました。すなわち、最高裁が上記判決において
    「更新料条項が賃貸借契約書に一義かつ具体的に記載され、賃貸借当事者間に更新料支払いの明確な合意が成立している場合には、賃借人と賃貸人間との間で、更新料条項に関する情報の質及び量並びに交渉力について、看過しがたいほどの格差が存するとみることもできない。」
   と判示して、更新料条項が消費者契約法10条との関係でも有効となる条件を明らかにしています。

 2 「消費者の利益を一方的に害する」場合と「特段の事情」
   そして、上記の最高裁判決においては、更新料条項が消費者契約法10条により無効となる場合として、特段の事情が存在することを要することを示しました。すなわち、最高裁は上記判決において、
    「よって、賃貸借契約書に一義かつ具体的に記載された更新料条項は、更新料の額が賃料の額、賃貸借契約が更新される期間等に照らし高額に過ぎるなどの特段の事情が無い限り、消費者契約法10条にいう民法第1条第2項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものには当たらない。」
   と判示し、更新料条項が、消費者契約法10条との関係で無効と評価される「消費者の利益を一方的に害する」ものと認められるためには、「更新料の額が賃料の額、賃貸借契約が更新される期間等に照らし高額に過ぎるなどの特段の事情」が存在することが必要であるとし、その点について主張立証責任は賃借人側が負担することを明らかにしております。

 3 更新料条項の具体的な基準
   そして、上記の最高裁判決においては、何れの事例の更新料条項についても一義且つ明確に記載されているため、更新料条項は消費者契約法10条との関係で原則として有効であること、さらに、消費者の利益を一方的に害するような特段の事情も存在しないことが示されました。
   この結果、賃貸借契約書において更新料条項を記載するに当たり、契約期間を1年とする場合に更新料を2か月分余りとする更新料条項も、消費者契約法10条に該当せず有効となることが明らかになりました。
   これまで賃貸実務においては、更新料条項の有効性については、これまでの下級審判例の結論が分かれていたことにより様々なトラブルが発生していましたが、今回の最高裁判決により更新料条項に関して一定の判断基準が示されましたので、今後の賃貸実務においても更新料条項に関するトラブルは鎮静化するものと予想されます。

以上

 
 
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